雪月花の数学―日本の美と心に潜む正方形とルート2の秘密



雪月花の数学―日本の美と心に潜む正方形とルート2の秘密
雪月花の数学―日本の美と心に潜む正方形とルート2の秘密

商品カテゴリ:物理学,化学,数学,地学,科学,学習,知識
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分割比の違いによる文化の違いに興味津々

 「黄金比」と「白銀比」を身近にある題材で説明するところから始まる。分かりやすくて楽しく読むことが出来る。説明の中に登場する数式もごく控えめで、抵抗がなく分かりやすい。それよりも黄金比と白銀比の実例から、日本と西洋の文化の違いという視点が非常に興味を引く。絵画の中の配置にこれらの比率を見いだすのはかなり知られているが、これ以外に建築物、韻文詩の音や生け花の配置、さらに映画のコマ割などにこれらの比率が隠れているという話は新鮮に思える人が多いだろう。
 また一般にはまったく知られていない「和算」について、歴史とそのレベルの高さについて紹介があり、著者の数学に対する思い入れの深さを感じた。特に和算の成果が西洋の数学と比肩できるレベルであることには溜飲が下がる思いだ。この部分だけを詳説した本も面白いだろうと思う。
 最後の結びもなかなか工夫されていて、教養本としては良くできていると思える。

数を通じて、日本人で良かったとしみじみ感じさせる

 昭和43年生まれの方に、算術という視点を通じて日本のすばらしさを見せて
いただいた。日本人の良さを感覚的に信じていても、それを言葉や、ましてや
数式で表現できないもどかしさに非力を悟る中高年オジンとしては、出会えて
良かったと心から思える本である。
 副題に「日本の美と心に潜む正方形と√2の秘密」あるとおり、数式や数論
的な展開は当然の如くに登場する。筆者の説明をそれなりに噛みしめたければ
有理数・無理数の別や2階の漸化式の解法、数列の極限値、指数・対数関数の
形状、変数分離型の線型微分方程式、テイラー級数などの高校数学?大学教養
課程の数学は必要になるが、それがわからないからといって読者を門前払いす
るような筆者ではない。数式を味わえない読者にも美しさを感じ取れるよう
言葉を尽くした説明を用意している。心配無用である。
* * * * *
 なお、数式やグラフの説明を丁寧にすることで、本文に対する読者の注意が
散漫になることを懼れてのことだと思うが、115、181ページと125、180ページの
底の場合分けによる関数形状の違いなどにあえて言及しない記述は、未習読者に
プレッシャーを与えまいとする配慮ゆえのこととはいえ、本書を手にする読者が
高卒以上の方々が中心になる実態からすれば、場合わけは明記しておくほうが
親切であったと考える。
 また、75ページの線分黄金比分割の式の展開は誤りであろう(出版社のHPに
も今のところ誤植情報としての掲載はないが)。
  * * * * *
 あれこれケチをつけてしまったが、本書を手に取る価値は少々の誤植程度では
微塵も減りはしないものである。
 とにかく志の高い本である。自分よりずっと若い方に肩を叩いて励ましていた
だいたようで、読後の気持ちがとても暖かかった。

「日本文化」を、数学的視点で。

「日本人」の美意識についてはいままでずいぶん論じられていると思います。では、その美意識にはどのような数学的な背景があるのか? このことを追求した本です。

建築、茶道、浮世絵、俳句の背後にある「白銀比」に着目したところが、この本の比類のない点でしょう。西洋は黄金比で、日本は白銀比ということです。

少し単純化されているようにも思いますが、これからの展開に期待しましょう。この本の内容だけでも問題提起が明確にされているのでは? p.134の図は衝撃的です。俳句をこのように見た人はかつていないでしょう。



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