至福の超現実数―純粋数学に魅せられた男と女の物語



至福の超現実数―純粋数学に魅せられた男と女の物語
至福の超現実数―純粋数学に魅せられた男と女の物語

商品カテゴリ:物理学,化学,数学,地学,科学,学習,知識
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数学的な考え方を正面から取り上げた小説

ずいぶん長い間日本語訳が品切れでいたので、別の出版社から別の訳で、豪華なイラストつきで刊行されて驚きました。そういえば、原著も数年前にTeXで組みなおしたんじゃなかったかな。大学1年のときに、この本を薦められましたが、そのときは読み終えなかったな。集合論の教科書を勉強した後に読んだので感動がいまいち薄くなったのが残念。また数年後にPrologというプログラミング言語の本を読んでいたときに、本書のことを思い出したりしました。こういう種類の本が、もっとたくさん出ると思ったのですが、そうでもないですね。
本当の「数学小説」

 あのTeXで有名なクヌースがコンウェイの理論をもとに小説仕立てで発表したもの。無人島で若い男女が石版を発見するが、その石版には神が数を創った事が書かれている…と言う話である。一日ごとに、前の日までに得られた数の集合の要素間にデデキントの切断のような操作を行なうことで、新たな数を創っていく。最終的には実数よりも大きな超現実数の体系が得られるわけであるが、第一日にはまだ何の数の要素もないので、神様らしく無から有を創る。この辺りは見事としか言いようがない。
 コンウェイの理論もすばらしいのだが、クヌースの話も良く出来ており、最近流行の内容のない数学小説と違って本当の意味での「数学小説」といえる。高校生程度なら読めるはずなのでおすすめ。以前他出版社から出ていたが、手に入り難くなっていたので、興味のある人はこの機会にぜひ。
 残念なのは題名か。「超現実数」で十分だったと思う。



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