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孝明天皇と「一会桑」―幕末・維新の新視点 (文春新書)
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| ジャンル: | 歴史,日本史,西洋史,世界史
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| 人気ランキング: | 107207 位
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敗者の声をきく
日本人の幕末観には司馬遼太郎の諸作が圧倒的に強い影響を与えているが、司馬本人が本書で書かれたような幕末の朝廷・幕府・諸藩の動向を知らないはずはない。司馬の大胆な解釈、つまり一部の諸藩と朝廷の動向の無視が、彼の描く魅力的な明治維新像として結実した。
本書は、そこで消された声なき声を拾い集めることで幕末の新視点を提示する。
慶喜の直情的なキャラクター、幕臣と慶喜の距離、朝廷と一会桑の関係、幕府と朝廷の双方を支持した諸藩、薩長のそれぞれ内部での強硬派と穏健派の闘い、英仏の動向、それぞれ複雑に影響しあい、明治新政府は樹立する。一ついえるのは、薩長の一貫した武力討伐運動の成果が明治維新であったということでは決してないということだろう。著者も薩長の役割、志士達のリーダーシップを否定するものではないが、幕府政治を終らせた最も大きな要因は薩長ではなく世論、もっと言えばペリー来航にはじまる日本全体の大きな空気の変化であったと解釈することが、フェアな幕末理解なのだろう。敗者から歴史をみる面白さを伝える良書。
「幕末・維新の新視点」ではなく「本当の視点」?!
とても面白い一冊でした。
この内容を700円程度で読めるのは、お徳だと思います。
感想ですが、やはり歴史は、勝者が作っていたんだなぁ、というのをハッキリ感じさせてもらえます。
「それが普通だろ」といわれるかと思いますが、これまで存在している本の多くは、この本で言ってるようにあくまで勝者の土台の上で敗者の言い分が出されている程度だったと思います。つまりどこまでいっても、いかに薩長がすごかったしか見えない感じだったと!
それが「本当っぽい実情は、こうだったのだよ、多分」というのを無理のない形で提示してくれます。
そういう意味では、逆に中途半端に幕末史を知っている人にとっては新鮮で衝撃的な内容なのかもしれません。
根本から違う事が書いてあるから。
でも、その内容を否定できないし、しようとも思わせない、そういう本でもあります。
幕末維新好きの方は、ぜひ読んでみてください。
この見解のほうが正しいような
「勝てば官軍」という言葉がよく使われるが、我々の明治維新に対する歴史観は、勝ってしまった官軍が植えつけた観念であったということがよく分かる。それと、この明治維新は西郷と大久保の「さよなら逆転満塁ホームラン」であったというのが実に面白い視点である。本当はそうだったんだろうと僕も思う。虚虚実実の駆け引きの中で間隙をついて大勢が決まってしまったという感じがする。まあ西郷や大久保の考えも興味深いが、何も考えずただ義や忠に死んでいった会津藩、桑名藩さらに全然別の人生観から出てきた新撰組のほうに感ずるものがあるのはなぜでしょうかね。それと孝明天皇・・この人が意外と責任感(というのかな?)が強く、自分の御世のときにガラッと世界を変えてしまうことに非常にナーバスになって、幕府の言いなりにならず、自分で仕切ろうと考え出したことが幕府にとって一番意外な展開であったような感じがしました。200年以上もボーっとしてきた家系が突然目覚めたのは黒船のおかげなのか??やはりこの時代は面白い。
「歴史の常識」を打ち破る醍醐味
いままで幕末史において軽視されがちだった孝明天皇と「一会桑」(一橋慶喜、会津藩、桑名藩)の存在にスポットを当てた本書により、「無能な幕府に対し武力による倒幕を目指す薩長」という自分が今まで常識だと思ってきた図式は見事に覆された。特に徳川家との協調路線で大勢が決するかに見えた新政府が、西郷隆盛や大久保利通らによって一転して武力倒幕の方向に急転回するくだりなどは、まさに筆者が言うように起死回生の大逆転劇を見ているかのよう。慶喜を安易に過大評価していない点にも個人的に好感がもてた。 やや話を端折っているかなと思う箇所もあるが決して強引な感じはせず、「歴史の常識」を打ち破ることの醍醐味を十分に味あわせてくれる。
文藝春秋
幕末の朝廷―若き孝明帝と鷹司関白 (中公叢書) 幕末の天皇・明治の天皇 (講談社学術文庫) 幕末の天皇 (講談社選書メチエ) その後の慶喜―大正まで生きた将軍 (講談社選書メチエ) 志士と官僚―明治を「創業」した人びと (講談社学術文庫)
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