江戸お留守居役の日記―寛永期の萩藩邸 (講談社学術文庫)



江戸お留守居役の日記―寛永期の萩藩邸 (講談社学術文庫)
江戸お留守居役の日記―寛永期の萩藩邸 (講談社学術文庫)

ジャンル:歴史,日本史,西洋史,世界史
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藩の存亡を賭けた戦いの記録

 長州藩の支藩である萩藩の留守居役日記を基に、江戸における各国(藩)外交を描写した本です。萩藩邸の生活や幕府や他藩との交渉など、ありとあらゆる面に気を遣い続ける留守居役は、時代劇で見られるような"ドンチャン騒ぎ"とは無縁の存在でした。藩の存亡を賭けて奮闘する留守居役という外交官の一代記とも言えるかもしれません。
 外交とはまさに"命懸け"ということを教えてくれます。弱肉強食が定理とされる国際社会での外交に通じるものがあると思いました。
【おススメな人】外交活動に興味をお持ちの方。外交官を目指している方
江戸前期の各藩と幕府の関係がよく分かる

 三代将軍家光の頃の、長州藩江戸留守居役の日記をベースに書かれた好著である。江戸留守居役は、幕府中枢、江戸町奉行などとの関係を担当する、いわば、大使である。この時代は、まだまだ大名が幕府により潰されたこともある時代であり、留守居役の働きは、場合により、その藩の生死を左右する。

 本書では、長州藩の本藩と支藩との対立、領民を巡る他藩との交渉、江戸駐在藩士の犯罪事件における町奉行との交渉、由井正雪の乱の藩内関係者の処分等々、同藩と幕府などとの間に生じる様々な「外交・政治」問題の顛末が、読みやすく描かれている。その後は留守居役の機能も形式的・儀礼的なものになったようだが、江戸前期のこの時代、幕府と各藩との関係は必ずしも、固まったものでなく、本書の主人公のような有能な留守居役の存在が極めて重要であったことがよく分かる。



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